世界文化遺産厳島神社








 
 
広島県南西部、広島湾西部にある島。厳島神社の所在地で宮島ともいう。
一島で佐伯郡宮島町を構成する。面積
30.2ku。人口3305。幅600mの大野瀬戸を隔てて本土と対する。弥山(みせん)の北東麓に厳島神社が鎮座し、門前町を形成する。

 古来、「安芸の宮島」として日本三景の一つに数えられる風光の地で、瀬戸内海国立公園の一部でもあり、特別史跡・特別名勝にも指定されている。厳島神社の建造物群と前面の海、背後の森林とは、平成
(1996)年、世界遺産の文化遺産として登録された(世界文化遺産)。
 


 御祭神「市杵島姫命・田心姫命・湍津姫命」。皇室や国家の鎮護または海上の守護神として古くから上下の尊信を受けられました。宮島には神世にご光臨になり、その御神殿は推古天皇元年(593)佐伯鞍職が神勅を蒙り海水の差し引きする所に建てたと伝えられます。この類例のない建て方はその後の改築でも変更がありません。平清盛も当社を格別崇敬し、現在の社殿はその改築したものを伝えています。

 太古の時代から、宮島の景観には人々が霊気を感じ、島そのものを神として、信仰の対象にしていました。社殿の創建は、推古天皇即位元年(593年)、佐伯鞍職によると伝えられています。神社の敷地を州浜に求めたのも、島そのものを神と見たためと思われます。厳島神社は、弘仁2年(811年)にはじめて日本の歴史に記録され、『日本後記』には伊都岐島神を名神に列しています。
 
 平清盛の時代には、平家一族の拝するところとなり、仁安3年(1168年)ころには社殿が造営されました。平家一門の権勢が増大するにともない、社を崇拝する度合も高まり、多くの貴族を始めとする人々の知るところとなり、社運はますます盛大になりました。
 
 京都からは、皇族、貴族が訪れ、当時の平安文化が積極的に取り入れられました。舞楽が始まったのもこの時代です。平家滅亡後も、源氏一門に厚遇され、安定と隆盛の時代でありました。

 平安時代、法華経信仰による写経が盛んになり、法華経二十八品に開経の無量義経と結経の観普賢経を加えた三十品を各人が一巻づつ写経する「一品経」が流行した。経の表紙や見返し、料紙に豪華な装飾がなされた多々ある装飾経の中で、平家納経の絢爛・耽美さに匹敵するものは無い。
 
 社殿は、承元元年(1207年)と貞応2年(1223年)に火災にあい、これら災害の修復が行われましたが、たび重なる火災で神社の規模も移り変わったと思われ、弘安の時代(1278〜1288年)に記された社殿の図は今の配置と異なっています。その後、正中2年(1325年)台風で現在の配置に近い姿であったことがうかがえる記録が残されています。
 
 鎌倉時代から戦国時代にかけて政情が不安定になると、社殿は徐々に衰退し、荒廃の時代を迎えますが、弘治元年(1555年)、毛利元就が厳島の合戦で勝利を収め、社殿を支配下に置き、神社を深く崇敬した頃から社運はふたたび上昇しはじめました。豊臣秀吉も、九州遠征のさいに立ち寄り、安国寺に大経堂の建立を命じています。

 太古からの人々の信仰を集め、時の権力からも崇拝をうけ、たぐい稀な建築様式と文化を併せ持つ厳島神社は、現代にも生き続ける日本文化と歴史の象徴であり、日本の人々の心の情景でもあります。







左楽房

 この楽房は、1177(治承1)年の千僧供養の時楽屋を新造とあり、平安末期以来見られるものであるが、楽房と呼ばれるようになったのは江戸時代からである。
現在舞楽を奉納する時、左楽房(西側)内で奏楽されている。また、管弦祭の時には船の奉仕に当たる阿賀・倉橋の人たちの休息所としても使われている。
 左楽房の東側の妻柱の床から40センチあまり上に線が刻まれており、これは
1884(明治17)年8月26日午前10時に高潮がここまできたという印になっている。







 この朱塗りの柱などに特別な力があるのではないかと思うほどに、自分の心が厳かにそして別の世界に引き込まれそうになるようなのです。不思議と気が引き締まる気持ちになるのです。

 海のなかに浮かぶ大鳥居を写真などでよく見かけます。以前訪れた折には花嫁が小船で船頭さんとともに大鳥居をくぐって神社に向かって来る姿を見かけたことがあります。大鳥居は宮島のシンボルであり素敵な役割を果たしているようです。

  松島、天の橋立とともに日本三景に数えられる「安芸の宮島」は、島全体が信仰の対象である。 そして、宮島のシンボルが厳島神社(1996年12月には世界文化遺産に登録)されました。 厳島神社といえば、平安様式の神殿、海中に立つ大鳥居、平清盛が平家一門の栄華を祈願して納めた「平家納経」などが目玉であろう。

、世界文化遺産として登録された区域は、厳島神社を中心として厳島全島の約14%の範囲であります。このなかに史跡・神社・寺・文化財・資料館・公園などがありますから、歴史や自然とふれあって心も身体もリフレッシュするにはとても善い所かもしれません。